オーツカ
「酒は百薬の長」と言いますが、最近はそれも覆されてしまったようです。
飲みすぎれば当然健康を害することのあるアルコール飲料。高血圧症になるなどのリスクもはらんでいます。
今回は、お酒と血圧の関係性について解説しながら、ノンアルコール飲料を上手に取り入れた高血圧対策についてご紹介します。
そもそも、高血圧って何が悪いの?
血管には血流による圧力が常にかかっていて、その圧力が強い状態を高血圧と呼びます。
高血圧が健康の敵と知っていても、なぜ高血圧が悪いのかを知る人は少ないでしょう。まずは、高血圧が健康に当たる影響を整理します。
高血圧によって負担がかかるのは血管、そして心臓です。
血液が流れる血管内の圧力が高いと、血管内壁が傷つきやすくなります。もちろん、人間の機能として傷ついた血管を修復してくれるのですが、それを繰り返されると血管内壁が厚くなったり硬くなったりして、動脈硬化を引き起こす原因になります。
動脈硬化で血管が硬くなり、血流が悪くなっても血液内の栄養素を身体中に行き渡らせなければ生命活動を維持できません。そしてその役割を担っているのが心臓です。血流が悪くなると心臓は常にフル稼働になり、疲労しやすくなり、疲弊していきます。
こうした影響から、高血圧になると次のような病気を起こしやすくなります。
狭心症
血流が悪くなり、心臓の筋肉が一時的に酸素不足になる。
心筋梗塞
血管内が細くなり、血栓が詰まりやすくなって血流が途絶える。
心肥大
心臓の筋肉が次第に厚くなり、弾力性を失っていく。
不整脈
心臓の拍動が整わず、心筋梗塞や心肥大を引き起こしやすくなる。
意外と知られていませんが、高血圧はこんなにも怖い病気を引き起こす可能性が高くなるのです。
飲酒と血圧の関係
では、お酒を飲むことで血圧はどのように変化するのでしょうか?
通常、お酒を飲んでアルコール分を摂取すると血圧は一時的に下がります。
これはアルコールの分解物質であるアセトアルデヒドが血液中に増え、血管を拡張するためだと考えられています。
しかし反対に、脈拍は増加します。
酔っぱらうと心臓がドキドキします。あれです。
アルコールは善玉コレステロールを増やすという、体にとって良い影響も報告されているのですが、これらの効果は適量のお酒を飲んだ場合です。
適量を超えて飲み続けると、血圧は次第に変化していきます。調査によれば、1日あたりのアルコール摂取量が増えるほど、血圧の上昇が認められています。
上記を見てもわかるように、1日のアルコール摂取量が20ml未満であれば血圧への影響は少なく、健康的に飲酒が楽しめると考えられます。350mlビール缶1本のアルコール量は17.5mlなので、1日1本が目安です(アルコール度数5%の場合)。
ただし、厚生労働省ではアルコール摂取量の適量を20ml/1日としているので、500ml缶1本なら、適量を5ml超えますがギリギリセーフのラインだと言えます。
お酒で高血圧になるメカニズム
お酒と高血圧を直接的に繋げる学術データはありませんでした。
しかし、お酒を多く嗜む人はそうでない人に比べて高脂血症になる可能性が高く、それが慢性的な高血圧に原因になっているのではないかと考えられます。
高脂血症とは血液内の脂質バランスが異常をきたしている状態で、主に脂質摂取量が多くなるのが原因です。お酒を飲む人のほとんどは、同時におつまみも食べます。唐揚げやポテトなど脂質が多いものはお酒とよく合うので、ついつい手が伸びます。
さらに、肝臓はアルコールを分解している間、他の栄養素の分解まで手が回らないため、摂取した脂質がそのまま血液中に流れ出ることになります。すると血液中の脂質が増え、高脂血症リスクが高まるというわけです。
高脂血症の人は血液がドロドロ状態なので、強い圧力をかけないと血液が流れません。従って高血圧に陥り、前述した病気のリスクが増大してしまいます。
ノンアルコール飲料なら血管への負担が少ない
お酒が大好きでたまらない人が、高血圧症や高脂血症などの疾患を回避するには、お酒を飲まない他ありません。おつまみを食べずにひたすらお酒を飲み続ける人も同様です。お酒によっては糖質が多く含まれており、飲み過ぎは血液中の中性脂肪値を増やす原因になります。
そうした人たちにとって、禁酒はかなり辛いものになります。お酒を飲まないストレスがいずれ爆発して、以前にも増して飲酒量が増えたなんて話もよく聞きます。そこでお勧めしたいのが、ノンアルコール飲料を用いた健康的な飲酒生活です。
禁酒するのではなく、ノンアルコール飲料を上手に取り入れながらアルコール摂取の総量を少なくして、高血圧などのリスクを低下させるのです。
その時、ノンアルコール飲料はカロリーゼロのものを選ぶのがポイントです。大手メーカーから発売されているノンアルコール飲料の中にはカロリーゼロのものが多く、難消化性デキストリンなど健康栄養素が含まれているものもあります。
糖質の多いノンアルコール飲料ではアルコール摂取量が少なくなっても糖質の摂取量が多くなってしまうので、十分注意してください。
過度な飲酒は避け、健康的な生活を!
ノンアルコール飲料を取り入れて高血圧リスクを軽減させたい人は、まずは週に1日、ノンアルコール飲料を飲む日を設けましょう。それを2日、3日と増やしていきます。
ただし、これ以上増やす必要はありません。大好きなお酒が飲めなくなればストレスも溜まり、本末転倒です。週に2日か3日、ノンアルコール飲料を飲む日を確立したら、お酒を飲む日の1杯目だけをノンアルコール飲料に変えます。
これだけでアルコール摂取量の総量がかなり減るので、健康へのリスクも大きく軽減するでしょう。
オーツカ
適度に飲めれば健康面でのプラス影響が多いお酒ですが、過度な飲酒はまさに凶器。
健康であるからこそいつまでもお酒を楽しめるので、是非ともノンアルコール飲料を取り入れて健康的な飲酒生活を送っていただきたいと思います。