オーツカ
6月4日に発売され、Twitter上でめちゃめちゃバズった「ウイスキー紅茶」が再販決定です。
本日は「ノンアルコールティー」という世界を考えていきましょう。
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ウイスキー紅茶「ザ・カスクエイジング(THE CASK AGING)」とは
ウイスキー紅茶「ザ・カスクエイジング(THE CASK AGING)」は、話題の若き茶道家、岩本宗涼氏が率いるお茶のスタートアップ企業「TeaRoom(ティールーム)」が開発しました。この企業、静岡県に日本茶工場を持ち、お茶の新たな付加価値を生み出すことを目的としているそうで、クラフトジン×お茶、CBD×お茶と色々なプロデュース事業を行っています。
ザ・カスクエイジング(THE CASK AGING)もそのプロジェクトのひとつ。
静岡産の国産紅茶を使用し、国産ウイスキーの生産に使用した樽の中で茶葉を熟成。
樽に沁み込んだ芳醇でフルーティーなウイスキーの香りが楽しめる奥深い味わいのウィスキー紅茶です。
この商品は東急ハンズとの協業で作ったらしく、販売には東急ハンズが全面的に協力しています。
ノンアルコールティーというジャンル
アルコールが入っていないお茶、、、、、ま、、ただのお茶なんですが、「ノンアルコールティー」という名称でリリースしたことがSNSでバズを起こした理由のように思えます。コロナ禍の影響もあり、ノンアルコール飲料が非常に注目されている時期でもありました。
「酔うようで酔わない」新感覚の紅茶体験
このあたりのキャッチコピーも非常に上手いですよね。
これまでにもウイスキー風味のフレーバーティーは発売されていましたが、ウイスキー樽で熟成した商品というのは国内ではなかったと思います。しかし、僕はウイスキー専門メディアも運営しているので、どうして今さら流行っているのだろう、、、?と不思議に思っていました。
実は「トマーティン蒸溜所」というところで、ずいぶん前につくっているのです。
Tomatin Barrel Aged Whisky Tea
トマーティンはスコットランドのハイランド地方のウイスキー蒸溜所で、日本でも人気の高いウイスキーブランドです。
こちらの紅茶は、セイロンティーや福建省の紅茶をブレンド、ベルガモットとコーンフラワーをふりかけて、トマーティンの熟成樽で寝かせた紅茶で、複雑なフルーティーさとスモーキーさが特徴の商品。
ノンアルコールティーという記述はなく、「Tomatin Barrel Aged Whisky Tea」として当時販売されました。
トマーティン蒸溜所のオーナーは日本の「宝酒造」なので、宝酒造がノンアルコールのニーズに気づいていれば先取りできた可能性があります。
バレルエイジドコーヒーにはなぜノンアルとつかない?
珈琲の生豆をウイスキー樽に貯蔵し、ウイスキーの香りをつけた「バレルエイジドコーヒー」は、猿田彦コーヒーやスターバックスをはじめ、多くの企業が開発しています。
原材料をウイスキー樽で寝かせるところは同じなのに、「ノンアルコールコーヒー」とは呼ばれません。バレルエイジドと格好いい名称で売り出しましたが、ちょっと浸透しにくい言葉だったように思えます。
やや趣向を変えて、ノンアルコーヒーとして再リリースしたら、売れるかもしれませんね(笑)
オーツカ
ノンアルコール飲料というのは本当に区分けが難しい(テキトーな)ジャンルで、基本的には全部「清涼飲料水」なわけです。
「本来アルコール入りの飲料のはずなのに、アルコール抜きでも近しい味がする!」という驚きで成立する文脈なのかなと思います。
キャッチコピーのつけ方、売り出しのタイミングで、流行にも差が出そうです。