ノンアルコールビールを飲みながら運転したら警察には止められるのか

オーツカ

大手飲料メーカーが販売するノンアルコールビールの多くは、アルコール分0.00%。たとえ飲みながら運転しても、逮捕されることは “絶対に” ありません。

 

なにせ、飲酒運転基準に達するには900本も飲まなければいけませんからね

しかし巷では「ノンアルコールビールを飲んで逮捕された」という話もあるんです。真偽のほどはどうなんでしょう?

 

今回はノンアルコールビールをより楽しんでいただくために、飲みながら運転したらどうなるのかをご説明します。

飲酒運転で逮捕されない時代があった

テーマの本質に触れる前に、ちょっと小話を。

実は日本には「飲酒運転で逮捕されない時代」があったことをご存知でしょうか?

道路交通法が整備された1960年(昭和35年)。
当時施行された条例を確認すると、第65条に「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」とあり、第117条では罰則について「二年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する」としています。

 

実態として、1960年当時に飲酒運転で逮捕されることはほとんどありませんでした。当時の飲酒運転基準は呼気1リットルあたり0.25mg以上だったので、純アルコールで26.25mlを摂取すると基準を超えます。これはアルコール分5%の350ml缶ビール1.5本分です(体重70kgの男性の場合)。

 

今の基準が0.15mg以上なので、かなり緩い規制です。しかも、実際に0.25mgを超えて運転しても逮捕されることはなく、そもそも飲酒運転への関心自体が社会的に低かったのです。

 

ノンアルコールビールを飲んで逮捕されたケースがある!?

日本では過去にノンアルコールビールを飲んで運転し、逮捕された事例があります。
ただし、あくまで逮捕者本人が「ノンアルコールビールしか飲んでない!」と主張しているのであって、真実は定かではありません。

このニュースは、海外でも報道されました。

引用:Drunk Driver Claims She Only Drank 15 Non-Alcoholic Beers

ニュースでは福岡市にて、自称アルバイトの女性が運転していた軽自動車がセンターラインを越えて対向車に接触し、横転したとのこと。
男性とその娘(4歳)に接触しました。警察官が検査をすると基準値の4倍以上のアルコールが検出されましたが、逮捕された女性は「ノンアルコールビールだけを15本飲んだ」と、逮捕の不当性を主張しました。

 

なぜ、ノンアルコールビールで逮捕されたのか

福岡市で事故を起こした女性が本当にノンアルコールビールしか飲んでいなかった仮定すると、なぜ基準値の4倍ものアルコールが検出されたのでしょうか?

実は、ノンアルコールビールの中には「微量ながらアルコール分が含まれている商品」がいくつかあります。

大手飲料メーカーが販売する0.00%のノンアルコールビールはいくら飲んでも基準値を超えませんが、アルコール分1.0%未満の商品は別です。

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ドイツ発の世界的ノンアルコールビール「エルディンガー アルコールフリー」のアルコール分は0.4%。オーストラリア原産の「ブローリープレミアムラガー」は0.9%となります。アルコール分が1.0%未満の飲料ならばノンアルコールと表示して良いことになっているので、これらも歴としたノンアルコールビールです。

「エルディンガー アルコールフリー」なら約12本、「ブローリープレミアムラガー」なら約5本で飲酒運転の基準値を超えます(体重70kgの男性の場合)。
従って、前述のニュースで逮捕された女性は、実際にノンアルコールビールを飲んでいた可能性が高く、女性の体格で「ブローリープレミアムラガー」を15本飲めば基準値の4倍に達しても不思議ではありません。

 

他にもある、ノンアルコールビールの逮捕事例

飲酒運転による逮捕ではありませんが、海外では「コロナ期間中にノンアルコール飲料を提供した」としてレストランのマネージャーが逮捕された事例が2021年1月22日に発生しています。

 

引用:Pretoria restaurant to sue police for arrest over ‘non-alcoholic’ beverage

 

場所は、南アフリカ共和国ハウテン州北西部に位置するプレトリア。1月22日にHennie’s restaurantのマネージャーが、アルコール販売を禁止する緊急レベル3の規制期間中にノンアルコール飲料を提供したことで起こった事件です。現在、同マネージャーの弁護士が警察側に不当逮捕を訴えています。

 

運転中にノンアルコールビールを飲んで本当に大丈夫?

アルコール分0.00%のノンアルコールビールを飲んだとしても、運転するのはやはり気分が引けるものです。

Yahoo!知恵袋などのコミュニティサイトでも、以下のような声が多く上がっています。

引用:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1434979259

しかしご安心を。

アルコール分0.00%のノンアルコールビールなら、900本飲んでやっと飲酒運転の基準値に達するレベルです。
(「900本くらい何てことないよ!」という人なら話は別でしょうが、巨人でもなかなか飲めない量ではないかと思います。)

 

実際に私も周りの友人も、外食では運転に備えてノンアルコールビールを好んで飲みます。
味はビールそのものですが、アルコール分はやはり一切感じません。アルコールが無い分スッキリとした口当たりで、ビール独特の爽やかさだけを味わえるのもGood。以前、サントリーオールフリーが東名高速・海老名SAにてノンアルコールビールイベントを開催したことからも、安全性は証明済です。

ただし、前述したエルディンガー アルコールフリーとブローリープレミアムラガーに関しては、運転をする時は飲まない方が無難です。

「5缶までなら大丈夫」と考えても、体格や体質、その日の体調によって呼気に含まれるアルコール量が異なるので、アルコール分0.00%のものを選びましょう。

ただし、上記はどちらも本当においしいノンアルコールビールです。
シラフのノンアルビールベストランキングにも入っています。運転の予定がない時はぜひ飲んであげてください。