オーツカ
ノンアルコール飲料の世界ではビールやワイン、焼酎、日本酒などにとどまらず、なんと「ノンアルコールスピリッツ」なるものも存在します。
日本で造られているノンアルスピリッツはまだまだ数が少ないものの、海外のノンアルスピリッツの種類はかなり豊富で日本でも少しずつ知られてきているようです。
これだけの種類があれば、自分好みのノンアルスピリッツが見つけられそうですね。
コンテンツ
- ノンアルコールスピリッツとは
- SEEDLIP(シードリップ)
- ÆCORN(アーコーン)
- NOGRONI(ノーグローニ)
- NON(ノン)
- CEDER’S(シダーズ)
- SURENDRAN & BOWNES
- WHISSIN
- Gordon’s ULTRA LOW ALCOHOL G&T
- STRYYK
- HERBIE VIRGIN
- EVER LEAF
- THREE SPIRIT
- BORRAGO
- SEA ARCH
- The DRIVER’S TIPPLE
- FERAGAIA
- CALEÑO
- ATOPIA
- Amplify
- NINE ELMS/NO.18
- LYRE’S
- GOODSACK VIRGIN
- EASY MIXERS
- PENTIRE ADRIFT
- THE BITTER NOTE
- Ish Spirits
- /shrb(シュラブ)
- SHARAB(シャラーブ)
- ゴードンアルコールフリー 0.0%
- タンカレー Tanqueray 0.0%
ノンアルコールスピリッツとは
直訳すると「アルコールの入っていない蒸留酒」となるわけで、言葉としては矛盾しているわけですが、いわゆる蒸留酒からアルコールを除いたもの、ノンアルコールジン、ノンアルコールラム、ノンアルコールウォッカなどを総称してそう呼んでいます。
通常ジンにはジュニパーベリーが原材料として使われていますが、ノンアルコールのジンも同じようにジュニパーベリーなどを原材料としています。ノンアルコールのスピリッツの原材料に用いられる植物は、それぞれの基であるスピリッツと同じものを使用するのです。
ノンアルコールスピリッツはには大きく二つの製法があります。
ひとつは中性スピリッツ※を用いた脱アルコール製法。
もうひとつは製造過程でアルコールを用いることなく造る完全ノンアルコール製法です。
※中性スピリッツとは醸造酒に対して蒸留を繰り返し行い、エタノールを95%以上に濃縮した蒸留酒のことである。別名:ニュートラルスピリッツとも呼ばれる。
脱アルコール製法
ノンアルワインなどでもよくつかわれる、ノンアルコール飲料の主流ともいえる、脱アルコール製法です。
- 原材料となる植物(ボタニカル)を選定します
- 次にボタニカルを中性スピリッツに浸します
- 浸す中性スピリッツも、そのボタニカルに適したものを選定します
- 浸漬の後、脱アルコールの為にボタニカルを一度蒸留
- ボタニカルを浸した溶液のアルコール度数は低いため、完全にアルコールは飛びます
- 全ての種類のボタニカルを混ぜ合わせて、濃縮のための蒸留します
- ろ過してボトリングします
以下で紹介するSEEDLIPはこの方法ですね。
完全ノンアルコール製法
製造工程のどの段階にもアルコールが介在しない方法です。
アロマテラピーに使われるエッセンシャルオイル(精油)もこの方法で抽出されています。
- 原材料となる植物(ボタニカル)を蒸留釜に入れて、水蒸気を送り込みます
- 熱によりボタニカル内部の精油成分が遊離、気化し、水蒸気と一緒に上昇
- 精油成分が混ざった水蒸気を冷却層で冷却し、液体に戻します
- 精油は水には溶けない性質があり、多くは水よりも軽いので、水と精油が2層に分かれてたまります
- 水と分離して取り出し、100%純粋の精油が完成
- 分離させた水にも水溶性の芳香成分と微量の精油が残っているので、芳香蒸留水(フローラルウォーター)として利用されます
以下で紹介するHerbie VirginやStryykなどがこの方法を用いています。
オーツカ
ではここから海外製のノンアルコールスピリッツと呼ばれる製品を紹介していきたいと思います。
SEEDLIP(シードリップ)
原産国:イギリス
ジャンル:ジン
ノンアルコールのスピリッツの火付け役となったのは、2014年後半にイギリスで造られた「Seedlip(シードリップ)」。
17世紀の書物にはハーブを蒸留して造られた薬が載っており、その中にアルコールを含まないレシピを見つけたのがSeedlip(シードリップ)を造るきっかけとなったといいます。
2015年英国の高級百貨店セルフリッジズで登場し、1000本が数日で完売。創業3年後には月生産量は3万本を超え、世界25ヵ国に輸出するまでとなり、世界中に親しまれているノンアルコールスピリッツとなりました。
今ではイギリスのレストランやバーでも多数採用されており、ミシュランの公式パートナーにもなっています。
果物の皮や樹皮、スパイスのブレンド「Spice 94」、エンドウ豆とハーブがメインの「Garden 108」、柑橘類にスパイスがアクセントの「Grove 42」。それぞれ特徴の違う3種類があるので、はじめてノンアルコールスピリッツやジンを飲む人にも定番のシードリップは選びやすいかなと思います。
SPICE 94
オールスパイスベリー、カルダモン、グレープフルーツピール、レモンピール、オーク樹皮、カスカリーラ樹皮
GARDEN 108
エンドウ豆、干し草、スペアミント、ローズマリー、タイム、ホップ
GROVE 42
オレンジ、ブラッドオレンジ、マンダリン、レモン、ジンジャー、レモングラス
2019年8月7日にはアルコール飲料で世界最大手の英ディアジオがシードリップ(Seedlip)の過半数株式を取得。ディアジオ社がノンアルコールブランドを傘下に収めるのは初めてで、消費者のアルコール離れが進む市場動向に対応する狙いだと言います。
ÆCORN(アーコーン)
原産国:イギリス
ジャンル:アペリティフ
初のノンアルコールスピリッツを造ったシードリップの姉妹ブランド、アーコーンによる、これまた初のノンアルコールアペリティフはシードリップと同様にイギリスの17世紀のハーブ療法を取り入れています。
3種類のノンアルコールアペリティフは100%イギリス産のピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネのブドウを使用しており、ハーブや他植物がブレンドされています。
DRY
成分:クラリーセージ、カモミール、カッシア、オーク
BITTER
成分:グレープフルーツ、ベイリーフ、オレンジ、クワシア、ハニカム、オーク
AROMATIC
成分:スモークチェリーウッド、バニラ、コーラ、キノット、クローブ、カッシア、オーク
NOGRONI(ノーグローニ)
原産国:イギリス
ジャンル:スピリッツ・カクテル
ÆCORNに続いて、初のノンアルコールスピリッツを手掛けたシードリップによるノンアルコールスピリッツのNOGRONI。
食前酒としても楽しめるこのカクテルスピリッツの中身は、前に紹介したシードリップとÆCORN Better、ÆCORN aromaticをブレンドしたもの。
2017年にロンドンで開催されたworld-best-bar-awardで披露されて以来、世界で販売されています。
甘みとビターが混ざった味わいは、カンパリ、ベルモット、ドライジンを合わせたカクテルである”Neguroni(ネグローニ)”のようです。
商品名の”NOGRONI”もカクテルの”Neguroni”にノンアルコールの”NO”を掛け合わせた、遊び心あるネーミングとなっています。
NON(ノン)
原産国:オーストラリア、メルボルン
ジャンル:スピリッツ
イギリスのレストラン誌の「世界のベストレストラン50」において過去4回にわたり1位を獲得したコペンハーゲンの名レストラン、NOMA(ノーマ)出身シェフのウィリアム・ウェイドが手掛けた「NON(ノン)。」
フレーバーは4種類。
万能なNo.1にデザートと飲みたいNo.2、海鮮と相性のいいNo.3、胡椒にハラペーニョ、山椒といった特徴的なNo4.は食べるドリンクのようで、全種類ともソースやソルベとしても活用できるといいます。No.3を除く3種類はスパークリングです。
2020年6月に日本初上陸となったものの初回分は即完売し、その後8月に再度第2弾として販売が開始。クラフトということで生産量も限られており、知る人ぞ知る日本でも話題のドリンクです。
No.1 ソルティッド・ラズベリー&カモミール
成分:ラズベリー、カモミール、ブドウ果汁
No.2 キャラメライズド・ペアー&コンプ
成分:梨、コンブ、チャイ、オリーブ、バニラ、アガベ、ブドウ果汁
No.3 トースティッド・シナモン&ユズ
成分:オレンジ、シナモン、ブドウ果汁
No.4 ロースティッド・ビートルード&サンショ
成分:ビートルート、黒胡椒、ベイリーフ、塩、ハラペーニョ、ほうじ茶、たまり、山椒、ブドウ果汁
CEDER’S(シダーズ)
原産国:スウェーデン
ジャンル:ジン
CEDER’Sは、クレイグ(南アフリカ人)とマリア(スウェーデン人)の夫婦二人によって造られているノンアルコールジン。
上品でおしゃれなボタニカルボトルは、プレゼントやパーティーシーンにも活躍できそうです。
スウェーデンの天然水と、南アフリカのシダーベルク山脈の谷に自生する植物を材料としています。
この植物は南アフリカの先住民に何千年も親しまれており、主には茶葉として知られるルイボスや、薬・香り付けに使われるブチュを指すようです。
現在展開しているフレーバーは、フローラルでバランス型の”classic”、さっぱりと落ち着いた”crisp”、スパイシーでクセになる”wild”、魅惑的な香りの”Pink Rose”の4種類。
全体的に爽やかで口当たりが軽く、万人受けしそうな印象です。
CEDER’S Classic
成分:ジュニパー、コリアンダー、ゼラニウム、ケープフローラルフィンボ
CEDER’S Crisp
成分:ジュニパー、カモミール、柑橘系
CEDER’S Wild
成分:ジュニパー、生姜、クルーブ、ルイボス
CEDER’S Pink Rose
成分:ジュニパー、ローズ、ハイビスカス
SURENDRAN & BOWNES
原産国:イギリス、ロンドン
ジャンル:ジン
ロンドンドライジンを模して造られた、SURENDRAN & BOWNESのノンアルコールジン。
材料とする植物は高品質なものを選び抜き、EUで有機認定されたもののみを使用しています。
中でもSURENDRAN & BOWNESではサンダルウッドにこだわりがあり、全ての商品でサンダルウッドをベースとしています。香水にもよく使われる成分で、ウッディかつミルキーな香りがアクセントになっています。
成分:オーガニックグレインスピリット、ジュニパー、オーストラリアサンダルウッド、アンバー、ロイヤルジャスミンダマスクローズオットー、ネロリ、スウィートオスマンサス、ダーウィンエンドウ、ハイビスカス、バーボンバニラ、ミルクウーロンティー、マルベリー
WHISSIN
原産国:スペイン
ジャンル:ウイスキー
WHISSINは、スペインのノンアルコール飲料メーカーであるEspafadorがリリースしているノンアルコールのウイスキー。
人工甘味料は一切添加されていません。
なんと1998年には、世界で最高のノンアルコール飲料に与えられるSIAL D’OR賞を受賞しています。
ノンアルコールのスピリッツが一般的に浸透する前から人気のあるノンアルコールウイスキーです。
ソーダや絞ったレモンと一緒に飲むのがおすすめとのことですが、はたしてどんな味がするのか、、、、、。
成分:大麦、小麦、トウモロコシ他
Gordon’s ULTRA LOW ALCOHOL G&T
原産国:イギリス、ロンドン
ジャンル:ジン
大手飲料メーカー、ディアジオが手掛ける低アルコールのジンテイスト飲料。
アルコール度数は0.5%。妊娠中や授乳中の方、運転を直前に控えている方は避けたいところですが、アルコールテイストを楽しむという点では十分かと思います。
現在展開しているのは、ライムテイストとグレープフルーツテイストの2種類です。
グレープフルーツテイストの方は2018年の食料品店ドリンクアワードの低アルコール部門ではゴールドを受賞したといいます。
成分:ジュニパー、コリアンダー他
STRYYK
原産国:イギリス、ロンドン
ジャンル:スピリッツ
スタイリッシュでイギリスらしいボトルデザイン。
「伝統的でメジャーなスピリッツの再現」をコンセプトに、ジン、ラム、ウォッカの3種類の商品を展開。
どれも脂肪や炭水化物、砂糖は含まれず、人工添加物は一切使用していません。その他原材料から見てもヴィーガンの人も安心して楽しめる内容です。
グルテンフリーでもあるので、健康管理に気を付けている人にも是非おすすめしたい一本。すべて揃えれば、モクテルの選択肢もかなり広がるかと思います。
STRYYK NOT GIN
ジャンル:ジン
成分:ジュニパー、バジル、セージ、ローズマリー
STRYYK NOT RUM
ジャンル:ラム
成分:バニラ、レーズン、オークウッド
STRYYK NOT VODKA
ジャンル:ウォッカ
成分:きゅうり、コリアンダー、ウォーミングペッパー
HERBIE VIRGIN
原産国:デンマーク
ジャンル:ジン
デンマークのジンブランド、Harbiegが手掛けるノンアルコールジンのHERBIE VIRGIN。アルコール度数は0.05%です。
Harbiegがリリースしている通常のジンと、同様の製造方法と機械を使って造られているといいます。
このHERBIE VIRGINは「World beverage innovation award 2017」をも受賞。
世界において革新的な飲料として認められています。
柑橘系の甘い味わいの中、カルダモンやシナモンの温かいスパイシーさがアクセントとなっています。Herbie Virginの原産国であるデンマーク産のリンゴの香りにも注目したいところ。
成分:ジュニパー、ラベンダー、カルダモン、オレンジピール、リンゴ
EVER LEAF
原産国:イギリス
ジャンル:スピリッツ
EVER LEAFの創設者であるポールは植物採集の探検家である祖先と、キュー王立植物園で働く父を家族にもっています。
父はEVER LEAFの原材料でもあるクロッカスやアイリスの権威ある本を執筆しています。
ポール自身も10年近く環境慈善団体で働いていましたが、その後は世界中を旅して食材や飲料の知識を学習します。彼はバーテンダーとして自分の店を2店舗開き、Ever leafのヒントを得たそうです。
植物へのこだわりもあり、人工甘味料や着色料は使用していません。グルテンフリーかつヴィーガンの方にも楽しんで頂ける成分内容です。綺麗なオレンジ色も自然由来のものです。
ブードゥーリリーという中国の珍しい植物により、他のスピリッツにはない絹のようになめらかな質感が付与されています。
成分:サフラン、バニラ、ベチバー、ゲンティアンルート、オリスルート、カシア、シナモン、オレンジの花、ピンクペッパーベリー、リコリス、アンジェリカ、フェンネル、コリアンダーシード、カモミール、アカシア、ブードゥーリリー、カネシュガー
THREE SPIRIT
原産国:イギリス
ジャンル:スピリッツ
グアバリーフやカカオ、ココナッツビネガーなど全て天然植物由来の原料を使用した、植物科学者やバーテンダーが手掛けるノンアルコールスピリッツ。
添加物は一切不使用で、グルテンフリー。ヴィーガンの方でも安心な成分内容です。
味は、パーティーシーンをイメージした3種類。
パーティーの前・中・後の気分や雰囲気に合うよう、植物のフレーバーや効能を調整。
Livenerは気分を盛り上げる”パーティーブースター”、Social Elixirは夜の雰囲気にシフトする”ムードブースター”、Nightcapは気持ちを落ち着かせる”ドリームメーカー”というテーマが設定されており、シーンごとに選ぶのも楽しみの一つとなりそうです。
Livener
成分:グアイユサ、シサンドラ、グアバリーフ、シベリア人参、パナックス・ハネセン、アップルサイダービネガー、緑茶、カイエンチリ
Social Elixir
成分:カカオ、ヤマブシタケ、ダミアナ、トゥルシー、ココナッツビネガー、緑茶、キャラウェイシード、糖蜜
Nightcap
バレリアン・ルート、メロン・ヒュル・ホップス、レモンバーム、ウコン、アシュワガンダ、バーチウォーター、黒胡椒、四川ペッパー
BORRAGO
原産国:イギリス
ジャンル:スピリッツ
ミシュランの星付きレストランやバー、ホテルなどにも採用されているBORRAGO。
原材料の植物をモチーフにした、上品なラベンダーカラーのボトルデザインが特徴的。
メインとなっている植物は、フローラルな香りと甘さを持つローズマリー。
カルダモンのスパイスがアクセントで、後味のすっきりさはペパーミントが再現しています。
それぞれの植物を個別に蒸留するのがBorragoのこだわりで、カロリー、脂肪、砂糖は含まれておらず、グルテンフリー。ヴィーガンにも対応しているので、様々な人が集まるシーンにもピッタリです。
氷の上に25mlのBorrageを注いだ後に200mlトニックを加えて、オレンジの半分のスライスとバジルの葉を添えるのがBorrage公式のおすすめの飲み方。
成分:カルダモン、レモンバーベナ、バジル、ローズマリー、ペパーミント、レモングラス
SEA ARCH
原産国:イングランド
ジャンル:スピリッツ
デボンの海にインスピレーションを得たノンアルコールスピリッツ。
柑橘系の香りが効いた爽やかで温かい味わいの中、砂糖昆布とサンパイアなど海辺の植物による海のようなノートが特徴的です。
フレッシュなのに深みのあるノンアルジントニックがつくれそうな逸品。
カロリー、砂糖、甘味料だけでなくアレルゲンも含まれていないため、多くの人が愉しめます。SEA ARCHもヴィーガン対応です。
成分:砂糖昆布、サンパイア、ジュニパー、ブラッドオレンジ、カルナモンコリアンダー、グレープフルーツ、レモン、セージ
The DRIVER’S TIPPLE
原産国:イギリス
ジャンル:ジン
イギリスの元レーシングドライバーが手掛けたノンアルコールジンのThe DRIVER’S TIPPLE。
自身がアルコールを飲まなくなってから、ノンアルコールドリンクの選択肢が少ないことに気付き、よく飲んでいたジンの風味がするノンアルコール飲料が欲しいと思ったのが開発のきっかけだといいます。
パッケージはイギリスの有名なイラストレーターと漫画家によって考案されたキャラクターがメインの、どこかレトロな印象のボトルです。
ジンの王道ともいえるロンドンドライジンを模して造られており、原材料となる植物も同様のものを使用しています。
他のスピリッツと比較するとクセがなく飲みやすいので、普段あまりジンを飲まない人にもおすすめです。
成分:ジンジャー、アンジェリカ、カルダモン、グレープフルーツ、コリアンダー、ジュニパー
FERAGAIA
原産国:スコットランド
ジャンル:スピリッツ
スコットランド初のノンアルコールスピリッツであるFERAGAIAは、陸と海の植物を14種類使ってつくられた蒸留酒です。
古くから言い伝えられた技術で植物を蒸留しており、ハンドメイドであるために少数限定生産とされているややレアな1本。
カモミールやローリエ、カシスの葉などをはじめとして、出来る限り地元の植物を使うのがFERAGAIAのこだわりだといいます。
成分:カイエンペッパー、ブラックカラントリーフ、コブミカン、カモミール、ローリエ、カシスの葉、レモンバーベナ、アンチョチリ、グリーンティー、アップル、ハイビスカス
CALEÑO
原産国:コロンビア
ジャンル:ジン
コロンビアらしさを感じる、はっきりとした色使いのお洒落なボトル。
エネルギッシュな文化にインスピレーションを受けているCALEÑOは、ジュニパーをはじめとした植物をステンレス製ドラムで蒸留して造られています。
CALEÑOの成分を代表するのはインカベリーで、パイナップルやマンゴーのフレーバーを感じるトロピカルな甘さの中にピリッとするスパイスが効いた味わいに仕上がっています。
成分:ジュニパー、インカベリー、コリアンダー、カルダモン、シチリアレモンピール、リコリスルート、クローブ
ATOPIA
原産国:イギリス
ジャンル:スピリッツ
ATOPIAは、天然蒸留物、抽出物、フレーバーを合わせて造られるアルコール度数0.5%の低アルコールスピリッツ。
爽やかな柑橘系でスパイシーなジンテイスト”SPICE CITRUS”、スモーキーでフローラルなグリーンアップルが特徴の”WILD BLOSSOM”の2種類が展開されています。
しっかりとした味わいのATOPIAで造るジントニックは、本物のジントニックさながらですが、そのアルコール度数はおよそ75分の1。
休肝日にもよさそうですね。
SPICE CITRUS
成分:オレンジ、ジュニパー、コリアンダー、アンジェリカルート、レモン、ヨモギ
WILD BLOSSOM
成分:ラベンダー、リンゴ、アップルウッド
Amplify
原産国:イギリス
ジャンル:ジン
ノンアルコールスピリッツの中でも比較的新しいAmplifyは、甘党におすすめのヴィーガンフリー・ヴィーガンフレンドリーのジンテイスト。
オレンジの特徴的な甘さにレモンのさっぱり感、アクセントには高麗人参の苦味がプラスされています。
高麗人参の他にもレモングラスやアンジェリカルートなどといった体や気持ち元気に促してくれる効果のある植物が多く含まれているので、疲れているときや気分を上げたいときにもおすすめです。
なお、抽象的なボトルデザインは著名なアーティストであるソフィー・アボット氏が、Amplityのジュニパーや柑橘類にインスピレーションを受けて特別にデザインされたものです。
成分:ジュニパーベリー、オレンジ、コリアンダーシード、アンジェリカルート、レモンピール、レモングラス、高麗人参の根
NINE ELMS/NO.18
原産国:イギリス
ジャンル:スピリッツ
豊富な果実と花で造られたNo.18は、口当たりの良いタンニンとしっかりとした酸味が特徴のノンアルコールドリンク。
フルボディでしっかりとした重みとスパイシーさの中にミントが効いた味わいです。
No.18は赤ワインのテイストに近く食中酒にもぴったり。
ノンアルコールでのペアリングは日本でも流行の兆しを見せていますが、食事との相性が考えられたノンアルコールドリンクの提供は海外では定番になってきています。
他のスピリッツとは違いそのままストレートで飲むのがベターですが、モクテルの材料としても万能です。
成分: 4種のベリー、20種類の花、ハーブ、スパイス
LYRE’S
原産国:オーストラリア
ジャンル:スピリッツ
ノン・ローアルコールスピリッツメーカーのLYRE’S。
なんとノンアルコールスピリッツの種類は13種で、中でも人気なのはロンドンドライジン。コーヒーリキュールやナッツリキュールなど、ノンアルコールでは珍しいスピリッツが揃っています。
LYRE’Sのスピリッツはサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)をはじめとしたコンペでも評価は高く、世界中で46個のメダルを獲得しているといいます。
成分は様々です。
GOODSACK VIRGIN
原産国:オランダ
ジャンル:ジン
GOODSACK VIRGINが造られているのは、オランダのユトレヒト州に位置するクラフト蒸留所。
オランダでは初のノンアルコールスピリッツの開発となりました。
香りは柑橘系で、フレッシュなさっぱりとした味わい。ライムのスライスや、オレンジのスライスとミントをトッピングして飲むのがGOODSACKおすすめの飲み方です。
成分:レモングラス、カレーリーフ、スターアニス
EASY MIXERS
原産国:スペイン
ジャンル:シロップ
人工香料や防腐剤といった添加物は使用せずに造られたEASY MIXERS。
その名前の通り、様々なカクテルを簡単につくれるシロップです。普通のカクテルはもちろん、モクテルをつくるのにもおすすめ。
ここまででご紹介したノンアルコールジンなどと組み合わせて使います。
紅茶やジャスミンを用いた”ORIENT”、マンゴーにスパイスの加わったエキゾチックな”GOLD MADRÁS”など、アルコールなしでもバーシーンを楽しめる、人々の選択肢を広げるノンアルコールシロップです。
PENTIRE ADRIFT
原産国:イギリス
ジャンル:スピリッツ
PENTIRE ADRIFTは、イングランドに位置するコーンウォールの海岸線に自生している植物を中心として構成されており、スピリッツとしては少しユニークな植物も使っています。
グルテンフリー、ヴィーガンフレンドリーのノンアルコールジンで、50ml(1杯分)あたりのカロリーは2kcal。
砂糖や塩分もゼロなので健康を気にしている方も安心して飲めるかと思います。カフェインも含まれていないので寝る前の1杯にも◎。
成分:ロックサンパイア、セージ、パイアプラントブレンド、柑橘類、コーニッシュシーソルト
THE BITTER NOTE
原産国:イタリア
ジャンル:アマロ
THE BITTER NOTEは、ビターの名の通り苦味に特徴のあるノンアルコールリキュール。
味やハーブの成分から見ると、イタリアで薬用酒として親しまれている「アマロ」という種類のお酒のジャンルです。
使われているハーブには、肝臓や胃腸の消化に良いという効能があるといわれています。日本でいう養命酒のようなイメージで、基本的には食後酒としてストレートやロックで飲まれています。
ハーブの苦味の中にも柑橘系の甘さが感じられるため、薬用酒に近いとはいえ比較的飲みやすいのではないかなと思います。
成分:ルバーブ、ミント、ニガヨモギ、ニガアザミ、ダイオウ、アーティチョーク
Ish Spirits
原産国:デンマーク
ジャンル:ラム、ジン
ノンアルコールのお酒を造りたいけれどカクテルの楽しみは忘れたくない、という思いから造られたのがIsh spiritsのノンアルコールスピリッツ。トニックやジンジャーエールを組み合わせたモクテル造りにおすすめ。
現在ジンテイストの「Ginish」とラムテイストの「Rumish」の2種類を販売しています。
”ナチュラル&オーガニックアワードスカンジナビア”のベスト賞や”インターナショナルフードコンテスト”の金賞と銀賞を並んで受賞するなど評価は上々。
100mlあたり6kcalで砂糖はフリー。ヴィーガンフレンドリーなので様々な人が集まるシーンにも最適。
GINISH
成分:ジュニパーベリー、コリアンダーシード、チリ
RUMISH
成分:バニラ、ナツメグ、リンゴ、チリ
/shrb(シュラブ)
原産国:ロンドン、イギリス
ジャンル:スピリッツ
シュラブはローマ帝国時代にも存在していたとされ、もともとはエジプトやギリシャが起源だといわれています。
アメリカでは禁酒法時代のお酒の代わりや、冷蔵庫がまだ一般化される前にも保存がきくものとして親しまれていたビネガーベースのドリンクです。
しかしその後禁酒法時代からは一世紀が過ぎ冷蔵庫も一般化。根強く生産されてはいたものの需要の減少が続いた頃、近年のアルコール離れによって人気に再度火が付いたようです。
こちらのシュラブは、元銀行員であるムスタファ・マフムード氏によって2017年にイギリスで創業されたブランド。
本来のシュラブはスピリッツ、割材として主に飲まれていたものですが果汁を加えることでそのままでも十分に楽しめるドリンクへと進化しました。
ザ・タイム紙でも著名なソムリエから高く評価されるなど、その実力も注目すべきところですね。
日本では、2019年2月より、都内のミシュランの星獲得レストランを含む約50店舗に採用。11月からは、一般に開放されました。
メインモデルの”シュラブ オリジナル”の他にもジンテイストの”シュラブ ライム&ジュニパー”、オレンジキュラソーテイストの”シュラブ オレンジ&ジンジャー”など合計4種類のノンアルドリンクを展開しています。
シュラブ オリジナル
成分:フェンネル、アニス
シュラブ ライム&ジュニパー
成分:ジュニパーベリー、ピンクペッパー、ラベンダー
シュラブ オレンジ&ジンジャー
成分:生姜、バラ、オレンジピール
シュラブ アップル&シナモン
成分:ナツメグ、シナモン、ラベンダー
SHARAB(シャラーブ)
原産国:ロンドン、イギリス
ジャンル:ワイン、スピリッツ
前述した/shrb(シュラブ)を手掛けるムスタファ・マフムード氏が新たにリリースしたノンアルスピリッツ。
今までのノンアルコールワインというと本物のワインからアルコールのみを抜いたもの、引き算的な発想をするノンアルが主流でした。しかしそれとは反対に、足し算的な発想を用いて造られているのがこちらのシャラーブです。
ワイン用のブドウ果汁をベースとして、ビネガー、ボタニカルを加えて樽熟成で仕上げた新しいノンアルコールワインです。
ワイン用のブドウを贅沢に用いることでワインに近い風味が出せるだけでなく、ビネガーでは酸味を、花をメインとしたボタニカルではアロマを表現し、限りなくワインに近いドリンクを再現しています。
最後に樽熟成で仕上げているということで、ノンアルとは思えないワインらしい深みが感じられるかと思います。
シャラーブ カサブランカ
ブドウ品種:オルテガ
熟成:オーク樽
シャルドネを模した”シャラーブ カサブランカ”はリンゴや花のアロマの中にバニラのテイストが感じられる味わい。シャルドネを再現しているワインですが、近年話題のオレンジワインのような風味もどこかで感じられます。
シャラーブ レッドシー
ブドウ品種:ドルンフェルダー
熟成:チェリー樽
”シャラーブ レッドシー”はシラーを模しており、広がるバラのアロマの中に感じるペッパーのスパイスがアクセントに。
ゴードンアルコールフリー 0.0%
原産国:イギリス、ロンドン
ジャンル:ジン
1769年に誕生し、世界で初めてジントニックを生んだといわれているブランド「GORDON’S ゴードン」。
「ゴードン ロンドン ドライジン」は高品質のジュニパーベリーをふんだんに使った、180カ国で愛飲されている世界No.1プレミアムジンです。
ジン業界の巨人がついにアルコールフリー製品を発表。
ゴードンのロンドンドライジンで使用されているものと同じ植物を蒸溜してつくられています。
2020年から続くコロナ禍で強制的に発展したともいえるノンアルコール業界。
ここからは次々ビッグブランドが参入していきそうです。
タンカレー Tanqueray 0.0%
原産国:イギリス、ロンドン
ジャンル:ジン
2021年にはロンドドライジンで有名な「タンカレー」がノンアルコールのジンを発表しました。
タンカレー0.0%はこれまでのタンカレーロンドンドライ・ジンと同様、パイニージュニパー、ペパリーコリアンダー、アロマティックアンジェリカ、スウィートリコリスなどの良質のボタニカルの独特のブレンドを使って製造されています。
タンカレー0.0%は50ミリリットルでわずか6キロカロリー。通常のタンカレーのトニック割りのように、冷えたグラスに氷を入れ、50mlのスピリッツと150mlの新しいトニックウォーターを注ぎ、ライム1切れを添えて楽しむレシピが公開されています。
1830年にロンドンのブルームズベリーで創業して以来、業界を牽引してきたタンカレーがついにノンアルコール製品を投入したことは非常に意味があると言えます。まずはスペインと英国で販売が開始されます。
オーツカ
上記で紹介したノンアルスピリッツはほんの一部で、まだまだたくさんのアイテムがあり、とても書ききれません。
日本に輸入されてきているものもいくつかはありますが、僕は基本的に個人輸入で買っています。
2020年はまさにノンアルコールスピリッツ元年ともいうべき年で、とんでもない数のノンアル系の蒸留酒(蒸留水?)がリリースされていました。
今後はさらに加速するものと思われます。