オーツカ
今回はちょいとくだらない疑問に対し、真面目に考えてみることにします。
午前中の仕事を終え、爽やかな日差しの中で「あぁ、真昼間からビールが飲めたら…」と誰もが一度は考えたことがあるはずです。
頑張った自分へのご褒美に、上手くいなかった時の気分転換に、仕事中でもビールが飲めれば最高です。
しかし、常識的に考えて社内でビールはまずい。
では、ノンアルコールビールならどうでしょうか?
多くのビジネスマン、ビジネスウーマンが抱いている、「仕事中にノンアルコールビールを飲むのは法律的、モラル的に良いか悪いか」という疑問について調査してみましょう。
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アルコール0.00%なら法律的には全然OK
ノンアルコールビールと言っても商品ごとに含まれるアルコール分は違います。ですが大手飲料メーカーが販売しているノンアルコールビールのほとんどは0.00%。基準はアルコール分0.005%以下なので、法律的には全く問題ありません。あくまで「ビールテイスト清涼飲料」なので、お酒ではないですから。
仕事中に飲めばメリットもたくさんありそうです。
- 昼間でも「お酒を飲みたい」という欲求を満たし、午後の仕事に集中できる
- 味はビールに酷似しているので「仕事中にお酒を飲んでいる」という非現実的な感覚が最高のリフレッシュに
- 「なんちゃって飲み会」と題して休憩中に同僚とノンアルコールビールを楽しめば、新しいコミュニケーションのきっかけに
こうしたメリットが実現すれば、おそらく多くのビジネスパーソンにとってストレス解消に繋がり、日本全体の労働生産性もアップしそう。実際に、日本は労働生産性が低いままなので、これくらい思い切った改革が必要かもしれません。
しかし、実際に仕事中にノンアルコールビールは際どい、、、
しかし、実際問題として仕事中にノンアルコールビールを嗜むのはかなり際どいでしょう。
①倫理的にNG
まず大前提。アルコール分が含まれていないとは言っても、見た目はどう見てもビール。
飲む人も当然、ビールテイストを求めて飲んでいることは明白であり、つまりは「仕事中にお酒を飲んでいる」というイメージは拭えません。
もしもあなたが経営者側の立場だったら、いくらノンアルコールでも従業員がビールのようなものを飲んでいれば、良い気はしないはずです。
②取引先に誤解される可能性がある
今日ではレストランやカフェ、ハンバーガーショップに至るまでノンアルコールビールを提供しています。
非常にポピュラーな商品ではあるものの、傍目からみてそれが本物のビールかノンアルコールかの判断はなかなか難しいものです。「ノンアルコールだから大丈夫だろう」と仕事中にどこかのカフェでノンアルコールビールを飲み、それを取引先の方に見られていたとしたら。印象が良いとは言えません。いくらノンアルコールだと弁明しても、「アルコール分が含まれていなかろうが仕事中に飲むものではない」という考え方を持っていればそれだけでアウトです。
③実際に少量のアルコールが含まれている商品もある
「ノンアルコール」の表記が許された飲料はアルコール分1.0%未満のものです。つまり、0.9%のアルコール分が含まれていても、ノンアルコールとうたうことができます。例えば「ブローリープレミアムラガー」はノンアルコールビールですが、アルコール分は0.9%なので、どちらかというとお酒(ローアルコール)と考えた方が無難です。1.75L飲むと飲酒運転基準値を超えるため、仕事中に飲むのは絶対的に避けるべきです。
労働基準法では休憩時間に対して「使用者は、休憩時間を自由に利用させねばならない」と定められています。また、ノンアルコールビールを仕事中に飲んだからといって解雇されるようなことは、明らかな不当解雇であり解雇権の濫用に値します。
しかし、休憩時間であっても「労働時間の延長」という観点から企業の秩序を維持するために必要最低限の制約を加えることは可能なので、企業側が仕事中にノンアルコールビールを不適切と判断すれば、従業員はそれに従わざるを得ません。また、一番目に挙げたように倫理的に考えると、やはり仕事中のノンアルコールビールはNGでしょう。
思い切って上長に相談してみる
とは言え、仕事中にどうしてもノンアルコールビールを飲みたいという方はいることでしょう。うん、きっといるはずです。
そんな方は思い切って上長に相談してみてはいかがでしょうか?その場合、いくつかの条件が揃っている必要があります。
- あなたが新入社員ではなく、組織内で一定以上のキャリアがある(少なくとも勤続3年以上)
- 日頃から勤勉で仕事に対するモチベーションが高く、結果を出している
- 周囲からの信頼もあり、多少なりとも頼りにされている存在である
- 直属の上長や部長クラスとの人間関係が良好であり、ダメだった場合は冗談で済ませられる関係である
- 仕事中にノンアルコールビールを飲みたいと希望するのが自分だけでなく複数人存在する
- 仕事中によってノンアルコールビールを飲むことが組織に対してどんなメリットがあるのかを論理的に説明できる
なかなか厳しい条件ではありますが、これらの条件が揃っていれば仕事中のノンアルコールビールを上長や部長クラスに相談しても、最悪の場合冗談で済ませられます。あるいは、「これを機に社内の風が一変するかも」とポジティブに捉えられて、逆にノンアルコールビールを推奨する環境が出来上がるかもしれません。
※あくまで可能性の提示であり、仕事中のノンアルコールビールがOKとなる条件ではありません。実際に相談する場合は自己責任となりますので、慎重に行動しましょう。
どうしても飲みたい…、そんな時は早朝からノンアルコールビール
仕事中はNGでも、仕事前ならノンアルコールビールを飲んでも問題はないでしょう。
屁理屈のようにも思えますが、早朝の自宅ならば誰に迷惑をかけるわけでもないので、「ノンアルコールビールで1日をスタートさせる」、そんな日があっても良いのではないでしょうか?ただし、飲むならばアコール分0.00%と表示されているものを選びましょう。微量ながらアルコール分が含まれていれば、やはり仕事前だとしてもNGです。
昨今はリモートワークも増えており、このあたりの境界が曖昧になってきているのも事実。
TPOをわきまえ正しい判断ができるよう、ビジネスパーソンとしての倫理面を考慮しつつ楽しいノンアル生活を送りましょう。